これまで私たちは、自由に消費し、自由に考え、自由に挑戦できる資本主義社会を謳歌してきました。監視付きの限られた自由の中で、常にビクビクしなくてはならない権威主義的社会は御免です。彼らは、平気で他国に攻め入ったり、異なる意見を持つ人をいとも簡単に排除してしまいます。
一方、資本主義社会もこれまでのように「成長が全てを解決する」とは言えない段階にあることを私たちは知っています。所得格差問題は言うに及ばず、気候変動は容赦のない自然災害をもたらし、生物多様性の崩壊は人獣共通感染症を引き起こすことを身をもって経験したばかりです。
私たちは今、より自由により創造的に経済活動を推進していくために、資本主義社会における新しい作法と所作を身に付けなくてはならない時だと思います。それは、気候中立に向けた個人、組織、企業活動の新しい行動様式とも同義です。
その目的に向けて、ロフトワークは共創プロジェクト『Aru Society』を始動します。本プロジェクトは、日本を代表する企業、ベンチャー、アカデミア、ガバメント、エキスパート、アーティストを結集してラーニングコミュニティ『Async ⇄ Sync Lab. (アシンク・サイニック・ラボ)*』を組成し、ラウンドテーブルを定期開催しながら資本主義社会における新しい作法と所作を共創していくというもの。日本をリードする多分野の精鋭たちが毎回議論を交わし、コミュニティメンバーは自由にそのテーブルに参加する挑戦的かつ共話的な取り組みです。
同じ問題意識をもつ個が集合する「共在(共に在る)」が、やがて創発し合うラーニングコミュニティへと共進化することを意図し、プロジェクト名を、『Aru Society(アルソサエティ)』としました。
資本主義がもたらす「弊害の克服と経済発展の両立」の道筋を探る。環境・社会・人的負荷のない経済ならびに企業繁栄のための作法と所作を見出す。後ろめたさなく、より積極果敢に事業活動に邁進していくための指針や評価手法を明らかにする。結果、見えてくるものは果たして成長か縮退か、あるいは第三の道か。ケイオスはやがてコロニーを形成し自己組織化します。その共進化のダイナミズムこそ、私たちの未来であり可能性と言えます。
皆様のご参加をお待ちしています。
Async ⇄ Sync Lab.|1|
第1回 ラウンドテーブル概要
(参加費:初回無料)
2023年11月20日 15時~17時
日時
会場
Loftwork COOOP10
東京都渋谷区道玄坂1-22-7 ロフトワーク10F
広井良典(京都大学人と社会の未来研究院教授)
平将明(自由民主党所属衆議委員議員、新しい資本主義実行本部事務局長)
住田孝之(住友商事グローバルリサーチ(株)代表取締役社長)
松田法子(京都府立大学大学院生命環境科学研究科准教授)
出席者
「新しい資本主義」のエッセンスについて
その他、「Web3政策」「AI国家戦略」の可能性について
国内大手企業に対する期待と啓発
「限りない成長・拡大」がもたらす弊害
(成長・拡大とは異なる)成熟社会における科学と技術の役割と可能性
人間の「創造性発露」の重要性と「関係性の組み替え」の必要性について
内容
計画は今後変更することがあります。
organizer
諏訪光洋 (株)ロフトワーク代表取締役社長
小川敦子 (株)ロフトワーク ディレクター
村上航 (株)ロフトワーク ディレクター
吹田良平 (株)アーキネティクス 代表取締役
企画・運営
ロフトワーク
事務局
住田孝之(住友商事グローバルリサーチ(株)社長/住友商事(株)常務執行役員兼任)
奥田武夫(オムロン(株)技術・知財本部 知的財産センタ長)
アドバイザー
*Learning Community『Async ⇄ Sync Lab.』(略称 Async Lab.(アシンクラボ)」とは
Async(アシンク)は、“非同期”を表すプログラミング用語。一方で、Sync(サイニック)は、“同期”を表す。非同期と同期。2つの対立する言語を自然科学、社会科学的観点から「パラダイムシフト」を意味する言語として使用。Async ⇄ Syncは、非同期⇄同期を繰り返しながら、細胞の分解と再構築を行うダイナミズム、摂理、流れ、破壊的創造による不安定性や揺らぎという状況を表すと同時に、その力を利用して「坂を登り返す」といったパラダイムシフト型モデルを作ることをイメージしています。